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美術・文化社会批評/アライ=ヒロユキのブログ


アライ=ヒロユキの美術・文化社会批評などの日々の活動を伝えます。
by PXP14154
美術・文化社会批評(ライター、講演)などの活動を展開しています。
美術・文化社会批評のアライ=ヒロユキのホームページ
こちらは、活動やさまざまな情報をまとめたホームページです。
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表現の不自由展

表現の不自由展が開催されました。
アライが、実行委員として企画・実施・司会などを担当のほか、会場で発売するリーフレット(500円)では巻頭文の執筆もしています。ぜひお越しいただけますよう、お願いいたします。
私が司会を務める、1/26(月)鹿島拾市さん、1/30(金)開発好明さんのトークが特にお勧めです!


表現の不自由展〜消されたものたち

天皇と戦争、植民地支配、日本軍「慰安婦」問題、靖国神社、国家批判、憲法9 条、原発、性表現……このような表現内容をもつため、検閲とそれにもとづく修正、封殺(展示撤去、掲載拒否、放映禁止)、自粛の憂き目に遭い、表現の正当な機会を奪われた、タブーとされたものを集めました。取り上げたジャンルは、絵画・彫刻・写真・映画・テレビ番組・文藝などさまざまです。展示、トークイベント、上映会をとおして、「表現の自由」とは何か、それを損なうものは何なのか、みなさまとともに感じ、考える場になれば幸いです。

主催:表現の不自由展実行委員会、“教えてニコンさん! ” ニコン「慰安婦」写真展中止事件裁判支援の会
共催:メディア総合研究所

会期■2015年1月18日(日)〜2月1日(日) 12:00〜20:00(日曜のみ19時) 会期中無休 (イベント時は作品のみの鑑賞はできません)
会場■ギャラリー古藤(ふるとう) 〒176-0006 東京都練馬区栄町9−16 03-3948-5328
入場料■500円
大・高生、ハンデのある方300円/中学以下無料
イベント参加費■トークのみの日:1,000円
上映&トークの日(★印):1,500円
(入場券お持ちの方は1回に限り入場料分割引)
主催問合せ■hyogenfujiyuten@gmail.com
TEL080-3731-1075
www.facebook.com/hyogennofujiyu

【出展作品】美術館・画廊等で「検閲」された作品を展示します。

安世鴻(写真家/新作:アジアの被害者たち)
大浦信行(芸術家、映画監督/光州ビエンナーレ出品抗議作)
貝原浩(画家/風刺画〔天皇復元版〕)
キム・ウンソン&キム・ソギョン(彫刻家/「慰安婦」をモチーフとした《少女像》関連作)
中垣克久(彫刻家/展示強制撤去資料+新作)
永幡幸司(サウンドスケープ研究者/福島関連検閲資料+作品)
山下菊二(画家/天皇モチーフ作)
※ほか資料展示あり [作家50音順]

【トーク・上映イベント】先着40名・要予約(ご注意を!)
イベント予約専用 jjtenevent@gmail.com TEL03-3948-5328

1.18(日)14-17時 キム・ウンソン&キム・ソギョン(彫刻家) 来日トーク!日本軍「慰安婦」モチーフ作《少女像》について
1.20(火)19-21時 安世鴻(写真家) 日本軍「慰安婦」写真の表現と検閲事件
1.21(水)19-21時 『ジョン・ラーベ〜南京のシンドラー』上映&永田浩三(武蔵大学教授)トーク★
1.22(木)19:30-21時 ピーター・バラカン(ブロードキャスター) 聞き手・高和政(文化批評) ラジオと表現の自由
1.24(土)14-17時 大浦信行(芸術家、映画監督)×ゲスト・洪成潭(画家) 映画『靖国・地霊・天皇』上映&トーク★
1.25(日)14-17時 『放送禁止歌』上映&森達也(作家・映画監督)トーク★
1.26(月)19-21時 鹿島拾市(「秋の嵐」元メンバー、a.k.a.加藤直樹) 反天皇制全国個人共闘〈秋の嵐〉の活動を振り返って
1.27(火)19-21時 ろくでなし子(漫画家、造形作家) 公権力の攻撃を受けた表現とは
1.28(水)19-21時 放送中止テレビドラマ『ひとりっ子』上映&岩崎貞明(放送レポート編集長)トーク★
1.29(木)19-21時 イトー・ターリ(パフォーマンス・アーティスト) セクシュアリティと表現の自由
1.30(金)19-21時 開発好明(アーティスト) アートから見た「福島の真実」
1.31(土)14-16時 澤地久枝(作家) 表現と言論の自由の危機(風流夢譚事件と現在)
2.1(日)14-16時 まとめディスカッション(アライ=ヒロユキ、香川檀、永田浩三)
※講師のご都合で変更する場合があります。

会場で、展覧会リーフレット(500円)も発売。


★1.26(月)19-21時 トーク 鹿島拾市(司会/アライ)

昭和天皇の死去前(1988年秋)に、原宿のホコ天(明治神宮前の広場)で果敢な路上行動をした〈秋の嵐〉。かれらは激しい弾圧(大量検挙)を受けましたが、その理由はなんでしょうか?
原宿で若者が路上の自由を訴える行動が「反天皇」と結びついた意味を、いま考え直したいと思います。
路上行動「さよならヒロヒト まだ生きて自粛 こんな私に誰がした!?」「ヒロヒト・キョンシー作戦」など、当時の貴重映像を公開!! 抱腹絶倒です!必見。
鹿島拾市は、関東大震災時の朝鮮人虐殺の足跡をたどった『九月、東京の路上で』(ころから)の著者、加藤直樹です。


★1.30(金)19-21時 トーク 開発好明(司会/アライ)

人と人をつなぐアートの先駆者、開発好明。彼は東日本大震災に際し、デイリリーアートサーカスを結成。いち早く福島に入り、被災地へのアートによる義援に尽力してきました。
支援アートに政治性を込めるが、開発流!
福島県南相馬市にある《政治家の家》は、福島第一原発より20キロ、禁止エリア外縁400メートルほどの距離。政治家限定の休息所で、質素な建物の中で被災地の実情を体験してもらうべく、作家は彼は日本の衆参議員700名以上に招待状を送りました。
作家が登場した『美味しんぼ』の取材と検閲・隠蔽の実態も明らかに。新作・日の丸のインスタレーションについても語ります。
「開発くんがゆく」福島編をご期待ください!

# by PXP14154 | 2015-01-21 17:44 | 活動紹介

新著『天皇アート論ーその美、“天”に通ず』(社会評論社)

新著『天皇アート論ーその美、“天”に通ず』(社会評論社)_f0230237_21503211.jpg
新著のご案内です。よろしくお願いいたします。

アライ=ヒロユキ『天皇アート論ーその美、“天”に通ず』(社会評論社) 2014年8月/A5/331頁/¥2,800+224

天皇制を主題とした美術表現は、歴代の帝の肖像画、江戸末期の浮世絵、明治の諷刺画を経て、戦後の解放を契機に大きく変貌した。現代に至るまで、数多くのアーティストの手で試みられたその表現には、天皇制、日本へのさまざまな視座、解釈がある。その思考と変遷、関連作品を読み解くことで、日本の近現代の美術の可能性と問題を浮き彫りにする。表現弾圧/規制など、美術表現が「政治性」とどう向き合ってきたかも紹介。

[目 次]
序. 天皇制という分水嶺
1. 1945年以前の天皇アートの変遷と社会背景
2. 敗戦直後に開花したポリティカルアート
3. 戦争体験への熟考から生まれたもの
4. 見えない制度をめぐる表現
5. 天皇という自画像は何を映すのか
6. ポスト昭和=天皇をめぐって
7. アイデンティティの模索と再考
8. 仮構なる制度の実相を暴く
9. 逸脱による解放の表現へ
10. 公共性と天皇制
終. 共和のルーツ

[本書で論じられている作家・表現者たち]
月岡芳年/本多錦吉郎/宮武外骨/池田龍雄/桂川寛/山下菊二/丸木位里・俊/高松次郎/今泉省彦/赤瀬川原平/貝原浩/向井孝/内海信彦/前山忠&堀川紀夫(新潟現代美術家集団GUN)/小池一誠(幻触)/工藤哲巳/大浦信行/古賀忠昭/大江健三郎/三島由紀夫/中上健次/洪成潭/ロナルド・マヌラン/イスワント・ハルトノ/反天皇制全国個人共闘〈秋の嵐〉/荒井真一/金城実/守屋多々志/富山妙子/岡本信治郎/中村政人/中ハシ克シゲ/会田誠/三瀬夏之介/柳幸典/飴屋法水/伊藤敦/杉本博司/嶋田美子/森村泰昌/照屋勇賢/大榎淳/長澤伸穂/ミノル・コリン/彦坂尚嘉/靉嘔/宇川直宏/カオス*ラウンジ/横井小楠/渡辺崋山/ほか

★作品写真の貸出/撮影許可をいただいた作家、画廊、美術館の方々の元への、出版社からの書籍贈呈には多少時間がかかると思います。その点、ご了解いただけますと幸いです。

# by PXP14154 | 2014-08-18 21:47 | 活動紹介

〈報告講演会〉アート・バーゼル香港2014

7月12日(土)19時より、世界最大のアートフェア、アート・バーゼル香港2014の先ごろ行われた模様を、豊富な写真も交え、報告講演いたします。香港のトップギャラリー、関連イベント/フェアも併せて紹介します。もっともホットなアジアのアートシーンのいまをお伝えします。ぜひ、お越しください。

〈報告講演会〉アート・バーゼル香港2014 ー急変と過熱の東アジア 現代アート最前線ー

出品総額1020億円の市場(ブルームバーグ社調べ)とまで言われるアート・バーゼル香港。いまアジアのアート市場は、香港とシンガポールの二強と言われています。その活力は何なのか。そして、いま世界の現代アートはどこに向かおうとしているのか。バーゼル関連イベント、サテライト(別スポンサー)・アートフェア、香港のトップギャラリーなどの様子も併せ、豊富な写真とともに現地レポートします。

●アート・バーゼルとは何なのか
●取り巻く富裕層と過熱する市場
●アート・バーゼル香港の特長
●2014の詳細とトレンド紹介
●イチ押し作家 政治性の浮上
●日本の画廊はどうだったのか
●シンポが示すアートの向かう先
●関連イベント レジデンス
●同時開催のアートフェア
●香港トップ画廊はどこが違うのか
●アジアのアートはどこへ行く

2014年7月12日(土) 19:00〜20:30(開場18:00)
会場:千年画廊Café(東京都豊島区西池袋4-8-20 TEL03-5956-8186)
定員30名 参加費1,000円(予約制/担当:薄井 090-8432-4966)

# by PXP14154 | 2014-07-04 11:55 | 活動紹介

講演「アートが隠蔽/忌避してきたアート 天皇アート論〈予告篇〉」

6月14日(土)19:00~ 神保町の美学校で講演します。お忙しいところとは思いますが、ぜひお越しいただけますと幸いです。

1ヶ月後発行の著書『天皇アート論』(社会評論社)をかいつまんで紹介します。
嵯峨天皇像~山下菊二~照屋勇賢の永き系譜が表現してきた、人間と社会とは。知られざる作品群と美術批評の不可視の制度について、語ります。

特別講座「ω(オメガ)芸術表現 ―― 宥学会・遊学塾」
第15回 6月14日(土)
「アートが隠蔽/忌避してきたアート 天皇アート論〈予告篇〉」
講師 アライ=ヒロユキ
http://www.bigakko.jp/opn_lctr/omega/015.html

表現の自由すら守れず、その活力を失いつつある日本のアート界。美術表現と美術批評の現実との隔たり、あるいは無味無臭化が招いたツケかもしれません。
しかし、美術史において、政治性に言及することを厭わないことで美術の本来の意味、力強さの命脈を伝えてきた表現があります。それは、日本最大のタブー、天皇制をテーマとする作品群です。
美術界が黙して語らなかったその系譜を紐解くことで、日本の美術そのものを改めて検証します。
本講演では、近日出版の『天皇アート論』(社会評論社)を、予告篇としてかいつまんで紹介します。

★『天皇アート論』(著/アライ=ヒロユキ、社会評論社、6月下旬刊行予定)

【本書の主な目次】
●第一章 1945以前の天皇アートの変遷と社会背景
~歴代の帝肖像画、幕末諷刺画、キヨッソーネ、明治神宮聖徳記念絵画館、宮武外骨~
●第二章 敗戦直後に開花したポリティカルアート
~池田龍雄、桂川寛~
●第三章 戦争体験への熟考から生まれたもの
~山下菊二と丸木位里・俊~
●第四章 見えない制度をめぐる表現
~今泉省彦、赤瀬川原平、貝原浩、新潟現代美術家集団GUN、工藤哲巳、ほか~
●第五章 天皇という自画像は何を映すのか
~大浦信行、三島由紀夫、中上健次、ほか~
●第六章 ポスト昭和=天皇をめぐって
~X-DAYの内外報道、洪成潭ほか海外作家、〈秋の嵐〉、金城実、ほか~
●第七章 アイデンティティの模索と再考
~富山妙子、中村政人、中ハシ克シゲ、会田誠、ほか~
●第八章 仮構なる制度の実相を暴く
~柳幸典、飴屋法水、伊藤敦、杉本博司~
●第九章 逸脱による解放の表現へ
~嶋田美子、森村泰昌、照屋勇賢~
●第十章 公共性と天皇制
~アトミックサンシャインの中へin沖縄、1953年ライトアップ展、宇川直宏、ほか~
●終章 共和のルーツ
~横井小楠、渡辺崋山~

日 程:2014年6月14日(土)[講座は毎月第二土曜日開催]
時 間:19:00~
場 所:美学校 本校
    東京都千代田区神田神保町2-20 第二富士ビル3F
参加費:1500円
申込み:受講申込みは不要です。直接美学校にお越しください。
問合せ:宥学会 yugakukai@mbr.nifty.com

# by PXP14154 | 2014-06-06 11:47 | 活動紹介

福島サウンドスケープと検閲事件

先ごろ『オルタナ』に寄稿した原稿についてお知らせします。
いま福島の状況が巧妙に隠蔽されていきますが、当地の実情を伝える表現、福島サウンドスケープについて紹介したものです。

「福島サウンドスケープ」――音が伝える3.11後、そして検閲事件
http://www.alterna.co.jp/12074
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20131206-00010001-alterna-soci

サウンドスケープ(音風景)は、全方位の情報を含み、その場の空気感を伝えられるがゆえに、リアルな福島の状況報告となります。

先ごろ、この表現は検閲事件を受けました。千葉県立中央博物館での「音の風景」展(2013年10月5日〜12月1日)への出品のさい、作者/永幡幸司さんが教鞭を取る福島大学の除染対応の問題点の指摘文章が削除、修正されたのです。
本件は、永幡さんの勇気ある表現に対する、千葉県立中央博物館と共催者である日本サウンドスケープ協会の公権力による蹂躙であると言えます。

秘密保護法案が可決された現在、今後批評性のある表現が封殺される事態が頻発するでしょうが、だからこそ本原稿は幾らかはその意義を持つように思います。東京新聞11月18日号でも報道されていますが、本原稿の方が事件経緯が詳細かつ正確です。

サウンドスケープの提唱者、マリー・シェーファーは、反文明/対抗的な志向を持つがゆえに、その日本での輸入にあたり割り引いて受容された側面もあります。ですが、今回のような事態を見るに、その偉大さを再確認した思いがします。
そして、私はだいぶ以前に日本サウンドスケープ協会の会員であっただけに、本件を非常に残念に思います。

# by PXP14154 | 2013-12-08 11:47 | 寄稿