人気ブログランキング |

美術・文化社会批評/アライ=ヒロユキのブログ


アライ=ヒロユキの美術・文化社会批評などの日々の活動を伝えます。
by PXP14154
美術・文化社会批評(ライター、講演)などの活動を展開しています。
美術・文化社会批評のアライ=ヒロユキのホームページ
こちらは、活動やさまざまな情報をまとめたホームページです。
個人facebook
お気に入りブログ
最新の記事
ブログパーツ
最新のトラックバック
以前の記事
ライフログ
検索
タグ
カテゴリ
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧

<   2010年 12月 ( 4 )   > この月の画像一覧


週刊金曜日寄稿:デューラー展(12/17)

「週刊金曜日」(12/17)に、「アルブレヒト・デューラー版画・素描展」(国立西洋美術館、1月16日まで)の展評を寄稿しました。今展では、〈黙示録〉を除く、〈大受難伝〉〈聖母伝〉など、彼の主だった版画が展示されています。
デューラーの生まれた時代、15世紀後半は、グーテンベルクが活版印刷を発明し、これによりルターの宗教改革が促進され、また複製文化が勃興するなど、時代の転換期にありました。そんな中で、キリスト教美術の宗教メッセージを象徴形式で伝えるイコンではなく、新しい表現が求められていました。その役割を担ったのが、デューラーになります。
たとえば、シンメトリーを崩すことで動の印象を与えるアングル、情動を強調する身体所作など。そうした新しい絵画表現の開拓は、神と人間が織りなす力強いドラマの創造でもありました。
当時最新のメディア戦略である、凱旋門にPCのウィンドウのようにフラットな24枚の歴史画を組み合わせ、皇帝と家門を称える巨大な木版画。生き生きとした大衆像を描いた《踊る農民のカップル》なども印象に残りました。
デューラーは、クライアントである神聖ローマ帝国からの要望、宗教美術などの発注をこなしながらも、思想的には好意を持っていたプロテスタントなどの新旧の権力とは微妙な距離を保ち続けました。それは彼が人間のための美術を作り出す上で必要な芸術の自律性故でした。
国立西洋美術館

by PXP14154 | 2010-12-24 02:05 | 寄稿

西崎義展さん・お別れ会参列

本年11月7日に亡くなった、『宇宙戦艦ヤマト』を生み出したプロデューサーとして知られる、西崎義展さんのお別れ会に参列してきました。日取りは12月10日、場所は青山葬儀所です。
壇上には故人の遺影に白い花(たしかユリ)が飾られ、故人の在りし日とヤマトの名場面(主に発進のシーン)をまとめたビデオがエンドレスで流されていました。
関係者ではなくファンのための会は午後2時から6時まで催されていましたが、最初に始まる黙祷のところに出席しました。この時点の参列者は100名強くらいでしょうか(乗組員の数と同じくらい)。黄金時代を知るだけに、やや寂寥の感もありました。黙禱の際には、BGM「夕陽に眠るヤマト」のショートバージョンが流れました(『さらば宇宙戦艦ヤマト』の沖田艦長への遺影への黙禱で使われたものです)。ヤマト式の敬礼をしましたが、大方の参列者のさらば式ではなく、パート1式にしたのは私のこだわりです。改めて故人の冥福を祈ります。故人が生み出したものは、今後も数多くの人々の心の中に生き続け、語り継がれるでしょう。
思えば、故人には生前会うことも、姿を拝見したこともありませんでした(松本零士さんには編集者時代に取材でお会いしたことがあり、良くしていただいたのはいい思い出です)。
この日午前は関係者のためのものが催されたそうですが、そのときは400人ほどが集まったそうです。その際に、続編映画やテレビシリーズ制作も非公式発表されたそうですが…
f0230237_233543.jpg
f0230237_231668.jpg


by PXP14154 | 2010-12-24 02:03 | 雑記

月刊美術1月号寄稿

『月刊美術』2011年1月号に寄稿しました。特集「超新人2011」枠への寄稿ですが、展評や評論ではなく、読み物エッセイです。「偉大なる才能たちは40歳までに何を成し遂げたか?」という題で、特集に合わせ、傑出した才人が40歳までの若い年頃にどのような業績を上げたかを、エッセイ風にまとめたものです。坂本龍馬から岡倉天心、横山大観、青木繁、夏目漱石、黒澤明、坂本龍一などの他に、富野由悠季も例にあげました。

by PXP14154 | 2010-12-24 01:53 | 寄稿

赤旗寄稿:青山悟展(12/6)

「しんぶん赤旗」(12/6)に、「接触領域 Vol.5 青山悟」(12月18日まで、gallery αM)の展評を寄稿しました。
近年平面表現で照屋勇賢の染色や伊藤存の刺繍といった「布」を使った表現が台頭していますが、刺繍を用いる青山はそうした流れに位置する作家と言えます。代表作のひとつ《Glitter Pieces #1》は、ウィリアム・モリスが社会主義同盟を結成した際の記念写真がモチーフに作られています。これをミシンで自ら刺繍するという制作プロセスを通じて、不況の時代にあって労働の価値と大量生産によって追いやられた手の復権を主張します。こうした批評性が彼の持ち味ですが、今展でもそれが発揮されています。
作家の祖父は二科会の常務理事まで務めた画家(青山龍水)です。《Glitter Pieces #41(二科の土人たち)》は、戦後の再興時に銀座のパレードをデモンストレーションしたものですが、この情景を再現することで美術団体の持つ封建性を告発します。
青山龍水は乙女チックな少女像を得意としました。青山悟は彼の作品の裏にメルケル独首相やクリントン米国務長官など、社会を牽引する強き女性政治家の肖像を貼り合わせて展示します。これはジェンダー的な批判であるのは勿論ですが、表裏一体という形式から、その批評性は自己に向けられたものでもあります。会場には、青山悟の幼いころの絵も展示され、自らのルーツの探求が、自己を含めた美術の制度そのものへの批判として成り立っています。
展評では、刺繍という手癖(ストローク)の情感を排した表現が、現代平面としてどのような価値を持つかも併せて論じました。
gallery αM

by PXP14154 | 2010-12-17 12:50 | 寄稿