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美術・文化社会批評/アライ=ヒロユキのブログ


アライ=ヒロユキの美術・文化社会批評などの日々の活動を伝えます。
by PXP14154
美術・文化社会批評(ライター、講演)などの活動を展開しています。
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著書出版:『宇宙戦艦ヤマトと70年代ニッポン』

このたび、著書を出版しました。
アライ=ヒロユキ『宇宙戦艦ヤマトと70年代ニッポン』 2300円+税 社会評論社

クールジャパン人気に代表されるように、日本は世界に冠たるアニメ大国ですが、その礎を作ったのは1974年に放映されたテレビシリーズ『宇宙戦艦ヤマト』でした。当時爆発的な人気を呼んで社会現象となり、新聞を賑わせました。いまだに主題歌が愛唱され、12月1日よりSMAPの木村拓哉主演の実写映画が公開され、その根強い人気を伺わせます。
『宇宙戦艦ヤマト』が誕生した時代、高度成長が終わりを告げ、公害問題が表面化し、終末の予言が世間を賑わせ、オイルショックによりGDPは極端な落ち込みを見せました。このとき、人々ははじめて進歩というものに疑問を抱かせました。「せまい日本、そんなに急いでどこへ行く」。当時のこの標語はスローライフを思わせ、どこか今の時代と似ている気にさせます。
当時流行ったものにSLブームがありましたが、そこに『宇宙戦艦ヤマト』の制作者は無骨な手触り感に託した人間復権の祈りを読み取り、あえて流線型の未来的な造形ではなく、くろがねの軍艦を宇宙船として復活させました。そうして生まれた『宇宙戦艦ヤマト』は、あの時代に何を訴えていたのでしょうか。この問題に迫ってみたのが、本書になります。
本書では時代背景の分析だけでなく、制作者の証言、キャラクター考証、映像や物語構造の分析、BGMについての考察、マーケティング分析なども交え、複合的に『宇宙戦艦ヤマト』という作品とその現象に複合的に迫ってみました。

昔からのファンには、ディープな映像分析、制作者の内情、ブームまでの経緯、さらにこれまでなされてきたおざなりなヤマト批判を完璧に論破しているところが、特にお勧めでしょうか。

社会評論社 http://www.shahyo.com/
オンライン書店ビーケーワン http://www.bk1.jp/product/03346276
アマゾン http://www.amazon.co.jp/%E5%AE%87%E5%AE%99%E6%88%A6%E8%89%A6%E3%83%A4%E3%83%9E%E3%83%88%E3%81%A870%E5%B9%B4%E4%BB%A3%E3%83%8B%E3%83%83%E3%83%9D%E3%83%B3-%E3%82%A2%E3%83%A9%E3%82%A4-%E3%83%92%E3%83%AD%E3%83%A6%E3%82%AD/dp/4784519017

【序章】時代の危機に、ヤマト復活
一九七七年、ヤマトは時代を動かした/新作を生み出せないアニメ産業のかげり/七〇年代のスローライフ宣言が意味するもの ほか

【第1章】サブカルチャーの誕生
パート1にこそ、ヤマトのすべてが/誰も見たことのない光景が、第一話で展開された/「世界」の創出がサブカルチャーの始まり/アングラ映画からサブカルへ受け継がれたもの/ヤマトのリベンジは海外進出から始まった/角川映画と劇場版ヤマト。映画界新参者の戦い ほか

【第2章】ヤマトの作者は誰?
西崎義展:時代への警鐘をくろがねの軍艦に託して/松本零士:戦争ではなく宇宙の大航海物語を/舛田利雄:古代進のルーツは石原裕次郎?/宮川泰:歌謡ポップス最良の伝統をヤマトに込める/軍艦マーチ事件。作品をめぐる解釈のズレ ほか

【第3章】大切なコトはみなヤマトから学んだ
老人の思想1 信念の男、沖田十三/老人の思想2 自由人、佐渡酒造/ヤマトは学園ドラマでもあった/森雪:料理下手はヒロインの証/熱狂的ファンを生んだデスラー総統の気品と狂気/ガミラス凡人伝:中間管理職の悲哀/目の前の現実より、魅力的なリアルがある ほか

【第4章】ヤマトは軍国主義か?
波動砲は殺すために使わない/決して「負けない」強さに心を熱くした/日本の外の視点を持とうとしない、大和フィクション/架空戦記と大和元乗組員の意識のズレ/七色星団の決戦:敵味方を超えた、人としての共感/ビーメラ星は植民地主義を告発する ほか

【第5章】西暦2199年、過去への旅
ヤマトのルーツは西遊記だった/ガミラス:科学信仰は宇宙帝国主義へつながる/イスカンダル:C・S・ルイスと自然法の愛の思想/未来への希望に裏づけられた物語、スター・トレック/過去に「新たなる希望」を求めた物語、スター・ウォーズ/科学者・真田志郎は、科学を憎んだ/相原義一が還るべき故郷は、岩手か? ほか

【第6章】孤独を脱した古代進が選んだ道
間違いだらけの古代進の選択/温和な平和主義者が好戦的に。古代進のトラウマ/宮沢賢治がマゼラン雲に込めたものとは/吉本隆明が透視する、ヤマトとガンダムを貫く宇宙教/オウム真理教が、ヤマトに託した夢/捕虜を殺そうとして、古代進は他者に気づく/戦争と競争社会の愚かさを初めて知る/リーダーシップを否定するリーダーシップ/対等に学び合う関係こそ、底力を引き出す ほか

【第7章】アニメビジネスの誕生
おたくを生んだ、消費文化の新ステージ/ファンの囲い込みという、ビジネスモデル/アニメ音楽という新市場の火付け役もヤマト/交響曲で狙った、脱子どものハイカルチャー路線/アニメプラモに、スケールモデルという発想を/『宇宙戦艦ヤマト 劇場版』はどう受け止められたのか/時代は新展開へ。アニメ映画とアニメ雑誌の出現/仮想敵はヤマト! ガンダムの挑戦/クールジャパンの先駆け、ヤマトの愛され方 ほか

【第8章】続編検証:変節と不変のヤマト魂
『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』『宇宙戦艦ヤマト2』『宇宙戦艦ヤマト 新たなる旅立ち』『ヤマトよ永遠に』『宇宙戦艦ヤマトIII』『宇宙戦艦ヤマト 完結編』/自己犠牲で戦いの矛盾を昇華/ヤマトが敵に勝てない構造的理由/女神が誘う絶対平和の思想/デスラーはなぜ変わったのか/公共哲学から解き明かす、古代進の迷い/間違いだらけのヤマト批判〜佐藤健志&千田洋幸/オカルト思想・アセンションと『復活篇』の関係? ほか

【第9章】日本人乗組員だけが語れる物語
時代の閉塞が求めた日本再発見/角川映画とヤマトが交叉する地点/アニメはどう日本に取り組んだか〜宮崎駿&高畑勲、富野由悠季/在日とサンデル。共同体の再考うながすふたつの問題提起/ムラの再評価が意味するもの〜守田志郎/万博=進歩に突きつけられたNO〜アングラ芸術は裸体を武器に/戦後の忘却を揺さぶる、野性の肉体〜唐十郎/ヤマトが人間=身体性を強調する意味/戦艦大和と宇宙戦艦ヤマトの断絶/崇高さを裏切り、過去を読み替えること/森雪の再生に託された、可能性という希望 ほか
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by PXP14154 | 2010-11-26 12:44 | 活動紹介

週刊金曜日寄稿:ラヴズ・ボディ展(11/19)

「週刊金曜日」(11/19)に、「ラヴズ・ボディー生と性を巡る表現」(東京都写真美術館、12月5日まで)の展評を寄稿しました。
これは12年前開催された展覧会と同じタイトルですが、副題は「ヌード写真の近現代」から「生と性を巡る表現」へと改められ、エイズが抱える問題を追及した作品が展示されました。
もっとも印象的だったのは、中国系3世のオーストラリア人、ウィリアム・ヤンによる、かつてのパートナーの病状を日ごとに追った写真作品です。ここにはステロタイプ化された愛の悲劇はなく、複雑なニュアンスを持つありふれた「性愛」があります。この日常性によって描かれた等身大の隣人の情景こそ、今展がもっとも訴えたかったことかと思います。
エイズにかかった人たちに、「健常者」は「一部の人たちの病気」とレッテルを貼り、囲い込みます。しかし、すべての病は個別であるが故に少数性を持つのではないでしょうか。
デヴィッド・ヴォイナロヴィッチは、原理主義や偏見による圧力を告発するかのようなコラージュ絵画などを出品しています。こちらは、社会を俯瞰する視点から、エイズをめぐる環境の真相をあばきます。
バイターズのメンバーとして知られる、ハスラー・アキラが出品していたのもうれしかったですね。
エイズとは「一部の人たち」の問題ではなく、われわれ社会のすべてに突きつけられた寛容と想像力の問題ではないでしょうか。
東京都写真美術館

by PXP14154 | 2010-11-23 00:02 | 寄稿

赤旗寄稿:風間サチコ展(11/5)

「しんぶん赤旗」(11/5)に、風間サチコの2つの展覧会、「平成博2010」(11月20日まで、無人島プロダクション/SNAC)、「ドジョ戦記:水がヌルくて死にそうです。」(11月23日まで、GALLERY at lammfromm/ラムフロム・ザ・コンセプトストア)を展評を寄稿しました。
風間の作品の多くは木版画、しかも一点摺りというシンプルな手法を取ります。そして、版画というローテクであるが故に大衆に近い表現をめざした、戦前のプロレタリア美術、戦後直後の下丸子文化集団などのサークル運動のように反骨に貫かれています。
「平成博2010」展の出色は《くるくる総理(コドモの国)》竹下登から菅直人までをお遊戯の観覧車であらわしたさまはまさに痛快です。ほか、炎上している《原子力平和利用館》、ホームレス問題を逆説的に描いた《自由の里館》など、現代時評が展示されます。木版画特有の丸みのあるフォルムが、辛辣さをユーモアでうまくくるんでいると言えます。
今展では、戦前・戦中を中心にした博覧会絵葉書の作家コレクションによるインスタレーション展示も行われました。国防戦史パノラマ館など戦時統制下のグロテスクな光景は、そのまま管理された平穏が演出される「平成の光景」の醜さにも通じます。
「ドジョ戦記」展のほうは、ホトケドジョウを一兵卒の主人公にした連作マンガ展示で、じんわりしたブラックユーモアが楽しめます。題名は言うまでもなく、某国民アニメを揶揄したものです。
無人島プロダクション
GALLERY at lammfromm/ラムフロム・ザ・コンセプトストア

by PXP14154 | 2010-11-14 22:49 | 寄稿

週刊金曜日寄稿:藤本壮介展(11/5)

「週刊金曜日」(11/5)に、藤本壮介展「山のような建築 雲のような建築 森のような建築」(ワタリウム美術館、1月16日まで)の展評を寄稿しました。
藤本壮介は今年の「ヴェネチア・ビエンナーレ 建築展」にも参加した(日本館ではありません)、若手建築家です。
2階は透明なパイプで構成された1/1スケールの建築空間です。ここはよくある幾何学空間ではなく、過剰に入り組んだ構造の空間で、微細な関係性や感性を育む場=森となっています。
4階は未来の東京の姿をあらわした1/150スケールの都市模型ですが、やや型にはまっている感じ。
3階は建築のドローイングや模型、写真などで構成されています。入れ子構造の建築や住居がいびつに積層する集合住宅など、彼らしい表現を見ることができます。森という自然への志向、PCソフトのレイヤー感覚などのデジタルな感性が混淆します。意外性というかたちで身体性を呼び覚まし、これをミニマルな「実感」として積み上げていくのが特長です。こうした新しいアプローチにより体感させる生の実感に、作家の時代意識を読み解くことができます。
ワタリウム美術館

by PXP14154 | 2010-11-14 22:49 | 寄稿

シンポジウム+ライブ「地域発、表現という仕事」

千葉ウエストビレッジ文化祭2010の関連イベントとして企画しました。ぜひお越しください。

生活の中に表現が息づく新しい社会へー。地域に根ざした表現、クリエイティブな仕事をしている方2 名による、トークとミニライブです。鎌倉と千葉の文化シーンについて報告、展望します。料金2,000 円。
●黒澤邦彦(鎌倉を拠点に、演奏活動、カフェ・料理教室等運営。音楽レーベル"tacto rustico"主宰、生活ブランド"WanderKItchen project"企画・制作・プレス)
ライブ内容:ケルト、アフロ・サンバや北アフリカのヌビア・ミュージック、中世ヨーロッパ、アフリカ・スワヒリ語圏音楽(予定)
●白井いち恵(京阪神エルマガジン社編集者。同社『千葉の本』編集)
11月7日(日) 14:00〜16:30
ウッドハウス・カフェ(千葉市中央区松波1-14-11 TEL.043-308-9181)
連絡先 090-9823-4243(企画・アライ=ヒロユキ)

by PXP14154 | 2010-11-05 01:27

「アートは社会と教育にどう関わるか」ギャラリートーク

「梁塵秘聖~エピファネイア~ vol.1」展の関連企画として、実施します。ぜひお越しください。
展覧会参加作家と陶芸工房 自由空間の小暮義太郎さんが、展示作品と美術を取り巻く社会・教育的な状況についてトークします。入場無料。
11月6日(土) 15:00〜17:00
場所:絵画教室アトリエMIWA(千葉市中央区汐見丘町15-3)
連絡先 090-9823-4243(企画・アライ=ヒロユキ)
企画協力:陶芸工房 自由空間

by PXP14154 | 2010-11-05 01:23

「梁塵秘聖~エピファネイア~ vol.1」展

千葉ウエストビレッジ文化祭2010の関連イベントとして企画しました。ぜひお越しください。

「仏は常にいませども、現(うつつ)ならぬぞあわれなる、人の音せぬ暁に、ほのかに夢に見え給ふ」(梁塵秘抄)
日常に潜む美の顕現(エピファネイア)。人工空間ではなく生活の場で展示し、アートの持つ秘めた可能性に迫ります。抽象絵画や彫刻など、実力派6 人が競います。
2010年11月4日(木)〜7日(日) 10:00 〜 18:00
カトリック西千葉教会 千葉市中央区汐見丘町11-14
出品作家 北村真行、柳川貴司
第二会場[THE ラウンジ]
絵画教室アトリエMIWA 千葉市中央区汐見丘町15-3
出品作家 緒方敏明、坂内美和子、二宮淳、羽賀洋子(作品販売も予定)
連絡先 090-9823-4243(企画・アライ=ヒロユキ)

by PXP14154 | 2010-11-05 01:18

週刊金曜日寄稿:「萌えアートを斬る!」(10/29)

「週刊金曜日」(10/29号)に、「萌えアートを斬る! カオス*ラウンジ現象にひしめく欲望と思惑」と題した4ページ記事を寄稿しました。
これは以下のサイトでも、(説明図版は少ないですが)読むことができます。もし、よろしければお読みください。
Yahoo!サイト
週刊金曜日サイト
やや仰々しいタイトルですが、この記事は、いま大きく注目されているカオス*ラウンジの表現を、作品批評だけでなく、それを生み出した社会現象と支える(美術)評論とキュレーション側などへの分析も交えてまとめたものです。
批判が主眼ですが、作品の評価は短所だけでなく長所も論じ、公正を心がけました。また、カオス*ラウンジだけでなく、かれらを後押しする村上隆氏の功罪も論じましたが、彼に対する批判勢力が抱える問題点も併せて述べましたので、文章としては公平ではないかと思います。

by PXP14154 | 2010-11-03 00:04 | 寄稿