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美術・文化社会批評/アライ=ヒロユキのブログ


アライ=ヒロユキの美術・文化社会批評などの日々の活動を伝えます。
by PXP14154
美術・文化社会批評(ライター、講演)などの活動を展開しています。
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<   2010年 06月 ( 8 )   > この月の画像一覧


赤旗寄稿:朝鮮陶磁展(6/11)

「しんぶん赤旗」(6/11)に「朝鮮陶磁ー柳宗悦没後50年記念展」(日本民藝館、6/27まで)を寄稿しました。ほぼ全館展示で展示数約270点、朝鮮民画も展示され、見ごたえのあるものです。
朝鮮陶磁はかつて李朝陶磁と言われましたが、国号でなく王家の名前で呼ぶのは国家を貶めているとされ、いまは高麗王朝に続く朝鮮の国号を取って、朝鮮陶磁と呼ばれています。
朝鮮陶磁は、華美な装飾性を排したシンプルな造形が特長です。中国の爛熟の一歩手前にある豪奢で完璧な美しさ、日本の独創的な意匠による個性表現とは違った味わいを持ちます。それは朝鮮時代に独自の発展を遂げたからですが、そこには儒教の影響があります。
巷の研究書にはそれ以上具体的に述べられていませんが、それを儒教の天人合一、人間は自然に従い、一体化して生きるべきという思想の故と捉えました。そこから、現代のエコロジー思想にもつながる、個性による作為を排した無名性の表現へとつながります。
朝鮮陶磁を再発見したのは民藝運動の柳宗悦です。彼は帝国主義の時代にあって、日本の政策にはっきり否を唱えたことでも有名です。彼は大衆のための工芸運動を創始したウィリアム・モリスに強い影響を受けています。そして社会主義者であったモリスの産業文明批判は天人合一、同じく造形思想は朝鮮陶磁と通底する部分が多いのです。柳による朝鮮陶磁の美術的解釈は現代から見れば誤りもありますが、彼はモリスの思想と朝鮮陶磁を生み出した天人合一の共通性に潜在的に気づいていたのではないでしょうか。
日本民藝館

by PXP14154 | 2010-06-18 19:32 | 寄稿

米州議員、アニメ批判「原爆2個では不十分」


すでに旧聞に近いのですが、今年3月に米北東部ニューハンプシャー州のニコラス・ラバッサー州下院議員(26歳、民主党)が「アニメは、原爆2個では十分ではなかったことの最たる証拠だ」とフェイスブックに書き込んでいたそうです。
議員はすぐ謝罪し、書き込みも削除したので、詳しい背景や動機などは不明。
朝日新聞の記事へ
ネットではアメリカのアニメファンの怒りも買っているそうだが、石原都知事級(それ以上か)の発言。
アメリカとの沖縄問題の交渉のさなかに、こうした発言を問題視すれば、実に効果的だったように思うのだがいかがだろうか。こうした発言に声をあげないのが、属国政府のゆえんであるし、属国の臣民根性だと思う。

しかしマスコミは世界人気のクールジャパンともてはやしているが、実態は案外アニメを嫌いな人も多いのではないか。もともと日本のアニメは俗悪・暴力・女性差別・下品と言われ続けていたのだし。

いや、この議員は、日本に原爆をいっぱい落とせば、ケンシロウやヤマトやAKIRAやナウシカなどヒーロー&ヒロインが湧いて出てくるのを期待したのかもしれない。

by PXP14154 | 2010-06-18 19:31

週刊金曜日寄稿:針生一郎追悼文(6/11)

「週刊金曜日」(6/11)に、先ごろ亡くなった美術評論家、針生一郎さんの追悼文を寄稿しました。
故人は戦後草創期には美術批評の御三家と呼ばれ、10年のあいだ美術評論家連盟の会長を務めた、美術評論家の代表的人物ですが、さまざまな社会運動にも関わった反権力の姿勢でも広く知られています。ヨーゼフ・ボイスの作った自由国際大学日本支部のヘッドであり、私はそこでの活動で色々なことを教えていただきました。
1ページという誌面制約、また一般誌という性格のため、光州ビエンナーレ「芸術の人権展」といったプロフィール的なものは省きました。国際展そのものはすでに一般化しているという理由もあります。
故人がかつて私に語った「美というものが、僕はわからない」という言葉をキーワードに、美の追究ではなく、現代社会における人間再生の契機としての美術批評という故人の業績の核心を伝えるようにしました。菊畑茂久馬氏との芸者談義などのエピソードも交えましたが、全体としてはなるべく故人への客観的な評価に徹しようと努めました。
また、故人は晩年村上隆を評価しましたが、一見意外なその言動にはなにが隠されていたのか。反体制的な言動のみ強調されがちですが、故人のスタンスをネグリとアーレントを引き合いに迫ってみました。

by PXP14154 | 2010-06-13 11:15

週刊金曜日寄稿:イトー・ターリ公演(6/4)

「週刊金曜日」(6/4)に、5月22日に東京・早稲田のPA/F SPACE(パフスペース)で上演されたイトー・ターリのパフォーマンス「沖縄・1944〜2010から聞こえてくること」の評を寄稿しました。
これは「ひとつの応答」シリーズの一環で、沖縄の米軍性犯罪被害者だけでなく、日本帝国解体後も沖縄に止まり辛酸をなめた日本軍「慰安婦」であった朝鮮人、ペ・ポンギを題材にした作品です。
イトー・ターリはセクシュアル・マイノリティ(レズビアン)。社会から「居るのに居ないもの」として扱われるという経験から、自らの問題だけでなく、在日、沖縄の性的被害者を扱うようになりました。
細部の説明は省きますが、彼女のパフォーマンスはシャーマン的身体性と演劇性の両方を併せ持ちます。身体行為で暴力、虐げられた人の想いをあらわすとともに、映像、インスタレーションの併用は、歴史と現実に向き合うある種の公的な空間を立ち上げます。

同テーマで、6月18日に小金井アートスポット シャトー2F、8月7日、11月6日にパフスペースでも上演(Tel Fax 042-384-7010)

by PXP14154 | 2010-06-05 00:46 | 寄稿

丸木美術館ブログで紹介、ほか沖縄に関して

丸木美術館学芸員日誌ブログに「琉球新報」の「OKINAWA」展展評が紹介されています。
〈5/8付〉ブログページへ
ご参考までに。

一連の沖縄問題で気になるのは、メディアやネットでの反応が政府の対応の優劣のみ焦点となっているように思われることです。
そこには、沖縄が米軍基地化されている現状への配慮どころか目をそむける姿勢が見られます。過去だけでなく今後の60年間も、基地としての沖縄、属国としての日本という未来を疑問にも思わないのではないでしょうか。
かつて沖縄問題でオバマにあしらわれた鳩山前首相のことを、『ワシントンポスト』は「最大の敗者」と報じました。第三者のフランスやインドならともかく、当事者のメディアがそう形容するのはきわまりない傲慢に感じます。
韓国や中国の行動にいきり立つ人は多いようですが、アメリカに同じように反応しないのはただのCHICKENではないでしょうか(と英語表現ですが)。その意味で、これまで主義主張に賛同したことはありませんが、首相と知事の懇談会で石原都知事が「安保を見直せ」と主張したのは一貫性のある言動のように思います。
「ウチナーをなめるなよ、ヤマトをなめるなよ」
(大村副艦長の声で)

by PXP14154 | 2010-06-05 00:45

針生一郎さん葬儀

5/31夜、美術評論家の針生一郎さんの通夜に参列してきました。ヨーゼフ・ボイスの自由国際大学日本支部のメンバーとして、美術雑誌「Bien」の編集者として原稿依頼やインタビューで、生前はひとからならぬお世話になりました。畏友であり、針生さんの教え子でもあった、『エヴァンゲリオン深層解読ノート』で一緒に共著を担当した松井不二夫さんと一緒に伺いました。
美術評論家の生涯は、ある美術運動/表現のスポークスマンとして頭角をあらわして評価され、美大の教職に就任。あとは昔話で余生を過ごす、というのが一般的です。針生さんはそうではなく、最後まで状況と対峙し変革を作り出す表現を求めていました。ただし近年の村上隆への好意的評価にはためらいやぶれがあったようです。ある人はこれを無視し、ある人は無条件に評価するようですが、このあたりを突っ込んで考えることが、故人の真価を考える際のポイントになるかと思います。
通夜には生徒さん、お弟子さんだけでなく、パフォーマンス・アーティストの黒田オサムさん、池田龍雄さん、加藤好弘さん、吉野辰海さんといった前衛美術家、映画『日本心中』の監督・大浦信行さん、美術評論の谷新さんと宮田徹也・絢子さん夫妻なども見えました。パレスチナ関係の言説で知られる鵜飼哲さんと新右翼・一水会の鈴木邦男さんが並んで見えたのも、故人の葬儀らしい風景と言えます。
心からご冥福をお祈りいたします。

by PXP14154 | 2010-06-02 12:03

遣唐使と宇宙戦艦ヤマト

NHK歴史番組に『歴史秘話ヒストリア』があります。先ごろの放映は「奈良の魔法使い〜日本を救った遣唐使・吉備真備」でしたが、冒頭はこう始まりました。
西暦2199年 滅亡の危機にひんした地球 人類を救うべく 一隻の艦が飛び立つーー
今から1300年前 故郷の存亡を担って旅立ったもうひとつの船があった
大昔に奈良から長安へ向かった遣唐使がいかに難事だったかを例えるのに、地球から大マゼラン星雲へ放射能除去装置コスモクリーナーDを取りに行った物語を例えたようです。映像は赤い地球とヤマトで、音楽はオープニングのアップテンポバージョンの前奏でした。いや、いくらなんでも、長安よりイスカンダルへの旅のほうがはるかに難しいでしょう。
画面に『宇宙戦艦ヤマト』という説明を入れてなかったのは、まずくないでしょうか。若い人はこれをどう見たのでしょうか?歴史的故事?
ところで、網野善彦は、「漁民が大陸から朝鮮半島、日本列島へとしげく交通していたのに、なぜ遣唐使はあんなに苦労したと言われているのか?」と質問されて、答えられなかった(ごまかした)と述べていました。この疑問は、結局のところどうなのだろう?

by PXP14154 | 2010-06-02 12:02

埼玉新聞寄稿:戸谷成雄展(5/24)

「埼玉新聞」(5/24)に、戸谷成雄「ミニマルバロック VI」展(シュウゴアーツ、6/12まで)の展評を寄稿しました。立体/彫刻表現では難解なコンセプトで知られる作家だけに、あえて意訳的なレトリックを用いるなど、わかりやすく書くのには多少苦労しました。
戸谷の作品はよく森に例えられますが、それは木を素材としているからだけではありません。表層しかあらわせない彫刻の限界を超え、チェーンソーで刻まれた表面のひだによって、もの内側の凝集をあらわしているからでもあります。
本展では表面を縦横に刻んだ木板が展示されています。中央にはいわば耳の穴が開けられ、裏面に穴に聞き入るかのような人型の抽象彫刻が密着。視覚と聴覚の連動を提示しています。
アリストテレスは、五感はそれぞれ分断されたものではなく、その基底には共通感覚というものがあり、その働きですべての感覚がゆたかに感応し合っていると唱えています。そのありようから、人は戸谷の作品に対し森と感じるのではないでしょうか。
シュウゴアーツ

by PXP14154 | 2010-06-02 12:01 | 寄稿