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『社会新報』に掲載した共和主義についての原稿ですが、ご要望等があったので転載します。
いまの研究者による共和主義についての専門的理解とはやや方向性を変えていますが、現在の共通認識の核にある「徳」の問題を「考えるべき価値」に言い換え、現在の社会に当てはめたものになります。 共和主義について現実の日本社会と照応させて論じたものは僅少なので、この小文にもそれなりの意味があるように思います。 ◆いまなぜ共和主義なのか “人として「考えるべき価値」を呈示” 美術・文化社会批評 アライ=ヒロユキ 欧米で革命や民主化の原動力となってきた共和主義。日本でなじみが薄いこの思想は特定の政治制度ではなく、むしろ社会のあり方を考える思想を指す。実例をあげて紹介したい。 福井市の文化施設AOSSAの共有スペース・アトリウムでは、今年4月に市民らが行った「ピースアート展」に出品された憲法九条を書いた作品が「政治色が強く思想的」と一時撤去された(『福井新聞』2013年5月1日)。大阪府のピースおおさか(財団法人大阪国際平和センターが運営)は、展示内容のうち旧日本軍の加害行為のものを2014年度に撤去と発表した(『毎日新聞』2013年2月15日)。本展示は松井一郎・大阪府知事を含め、「(内容が)自虐的」との指摘が執拗にされてきた。また、橋下徹(当時知事)の「来館者を増やすため」の「改善」表明も背景にあるだろう。 民主主義の原則に立てば、意見の封殺は無法だ。しかし、多数ある意見を調整し、ニーズに応じた配分こそがいまの社会では求められる。例えばアイドルグループの展示を見たい意見が99%、戦争反対の表現展示のほうが1%なら、これに応じて後者を一目につかない場所でひっそり展示すれば民主主義の原則は達成される。「戦争反対」をあえて優先するなら、そこに多数の意志を超える価値の問題を考えなければならない。これは民主主義からは直接導かれない。人として考えるべき価値の問題を提示するのが共和主義である。そして、共和主義は公共の場で人々がともに議論し、学び、高め合うプロセスを良とする。効率が至上とされる時流にあって、人として生きる意味を考える共和主義なるものこそ必要であろう。 (『社会新報』2013年7月3日号)
by PXP14154
| 2013-08-03 11:47
| 寄稿
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