人気ブログランキング | 話題のタグを見る

美術・文化社会批評/アライ=ヒロユキのブログ


アライ=ヒロユキの美術・文化社会批評などの日々の活動を伝えます。
by PXP14154
美術・文化社会批評(ライター、講演)などの活動を展開しています。
美術・文化社会批評のアライ=ヒロユキのホームページ
こちらは、活動やさまざまな情報をまとめたホームページです。
個人facebook
お気に入りブログ
最新の記事
ブログパーツ
最新のトラックバック
以前の記事
ライフログ
検索
タグ
カテゴリ
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧

週刊金曜日寄稿:ラヴズ・ボディ展(11/19)

「週刊金曜日」(11/19)に、「ラヴズ・ボディー生と性を巡る表現」(東京都写真美術館、12月5日まで)の展評を寄稿しました。
これは12年前開催された展覧会と同じタイトルですが、副題は「ヌード写真の近現代」から「生と性を巡る表現」へと改められ、エイズが抱える問題を追及した作品が展示されました。
もっとも印象的だったのは、中国系3世のオーストラリア人、ウィリアム・ヤンによる、かつてのパートナーの病状を日ごとに追った写真作品です。ここにはステロタイプ化された愛の悲劇はなく、複雑なニュアンスを持つありふれた「性愛」があります。この日常性によって描かれた等身大の隣人の情景こそ、今展がもっとも訴えたかったことかと思います。
エイズにかかった人たちに、「健常者」は「一部の人たちの病気」とレッテルを貼り、囲い込みます。しかし、すべての病は個別であるが故に少数性を持つのではないでしょうか。
デヴィッド・ヴォイナロヴィッチは、原理主義や偏見による圧力を告発するかのようなコラージュ絵画などを出品しています。こちらは、社会を俯瞰する視点から、エイズをめぐる環境の真相をあばきます。
バイターズのメンバーとして知られる、ハスラー・アキラが出品していたのもうれしかったですね。
エイズとは「一部の人たち」の問題ではなく、われわれ社会のすべてに突きつけられた寛容と想像力の問題ではないでしょうか。
東京都写真美術館

by PXP14154 | 2010-11-23 00:02 | 寄稿
<< 著書出版:『宇宙戦艦ヤマトと7... 赤旗寄稿:風間サチコ展(11/5) >>