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「しんぶん赤旗」(10/1)に映画『ANPO』(渋谷アップリンク上映中、ほか全国順次公開)の評を寄稿しました。
この映画は、監督のリンダ・ホーグランドが、安保闘争を描いた写真家・濱谷浩と画家・中村宏の作品に強い衝撃を受けた、というところから生まれました。つまり、アメリカ人としての強い自省です。映画は60年・70年安保に、表現者がどのように感じ、行動したか、その証言を集めていきます。当時の事情をよく知るものには、総花的紹介で物足りなさを覚えるかもしれませんが、一般や若い人たちには安保問題を考えるいい経験となるのではないでしょうか。 映画の大きな核は、1950年代に台頭したルポルータジュ絵画とその周辺の表現です。この表現運動は、空想や観念であらわされた美ではなく、社会の真実を捉える新しいリアリズムに表現の意義を見出しました。具体的には、中村宏の《砂川五番》、山下菊二の《新ニッポン物語》、池田龍雄の《網元》などです。これらの作品は、、俯瞰の視点を映画に補い、半世紀を経て日米安保の変わらぬ実相を突きつけます。 石内都と横尾忠則、会田誠、風間サチコら、上記より年少作家の現代作家の作品も紹介されますが、安保の内面化による表現であって、外の視点からの批判とは違います。このあたりは、社会の変化でしょう。会田さんは「別に安保でもいい」とか取材中に言ったそうですが、そのあたりは画面から省かれています。 映画には、1962年に28歳で亡くなった石井茂雄の作品も頻出します。監督が特に気になった作家だそうですが、私も前から注目している作家です。彼の作品はルポルタージュの作家とは違って特定の事件に依拠せず、日常における管理と疎外の絶望的局面を描出し、現代にまで届く射程を持ちます。彼の作品の分析に原稿の大きな割合を割きましたが、紙面スペースの問題で、作品の図版紹介はできませんでした。 自分の立場からすれば、こういう作家の回顧展を企画すべきでしょうね。今後の課題として考えたいと思います。 映画『ANPO』
by PXP14154
| 2010-10-09 11:55
| 寄稿
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