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「週刊金曜日」(9/10)に、「田中一村 新たなる全貌」(千葉市美術館、9月26日まで)の展評を寄稿しました。田中一村はよく知られているように、奄美の南国風景を描いたことで人気の高い日本画家です。
あまり指摘されていないことかと思いますが、彼の技法が日本画の主流と異質なものがあります。ひとつは、色面の使い方です。岩絵具の淡泊な色合いでなく、広い面をフラットに塗りつぶすことで浮き上がるように見え、圧迫感を与える現代絵画の層に近い手法。さらに、強いデフォルメと彩度のメリハリある装飾性があります。これは、むしろ現代的なデザインの感覚に近いのです。彼は絵画的資質の新しさを早い時期からかいま見せていましたが、それが本格的に開花したのは画壇からの無視という不遇の中、奄美に単身赴いてからです。それは迷いだったのでしょうか、あるいは無自覚だったからでしょうか。 中国の水墨画は遠景に神仙、ひとつのユートピアを託します。それは、現世批判の思想でもあります。作家はこの水墨画の技法を援用しつつ、遠景に奄美に伝わる理想郷「ネリヤカナヤ」をあらわします。翻って、日本画団は水墨画からは思想性を意図的に排除し、形式だけ踏襲していきました。田中がけっきょく画壇の受け容れるところでなかったのは必然だったのかも知れません。 千葉市美術館
by PXP14154
| 2010-09-20 11:38
| 寄稿
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