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「しんぶん赤旗」(7/23)に「版画と彫刻による哀しみとユーモア 浜田知明の世界展」(神奈川県立近代美術館 葉山、9月5日まで)を寄稿しました。
浜田は中国で陸軍兵として従軍経験を持ちましたが、そこで体験した過酷な軍組織の実態、見聞した日本軍の蛮行を《初年兵哀歌》シリーズとして発表しました。 浜田の作品は実体験に基づきながらも、ブリューゲルにも似た文明批判的な語り口が持ち味です。これは五味川純平のような数少ない例外を除けば、個人体験に根ざした視点に止まった戦争文学、また抽象的な理念に傾いた戦後の戦争美術とは異なるもので、そこに貴重さがあります。 浜田は軍隊社会における疎外を「芋虫」というかたちであらわします。これは絵解きやカフカ的寓意を超えた生命力があり、現代の管理社会における疎外にもつながる表現の幅があります。 また肉塊のような身体の存在感もまた、彫刻を含む日本の近代美術において達成できなかった身体表現を思えば、貴重なものです。 先の大戦は崇高な精神を掲げて遂行され、凄惨な結果をもたらしました。戦前に歴史学者・羽仁五郎が『ミケルアンヂェロ』でルネサンス美術の身体表現のすばらしさを訴えのは、存在の根拠である肉体を明瞭に描出することで、社会に対して屹立する個人が初めて浮かび上がるからです。浜田の作品もまたそうした射程を持つことで、日本的土壌を超えた文明批判を成し遂げました。 神奈川県立近代美術館 葉山
by PXP14154
| 2010-07-29 11:43
| 寄稿
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