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「しんぶん赤旗」(3/23)にVOCA展2010(上野の森美術館、3/30まで)の展評を寄稿しました。VOCA展の傾向は、昨年は神話的、日本画的構成などの物語性でしたが、今回はこれがより私的なトーンの物語性へと移行しました。
VOCA賞(最優秀賞)の三宅砂織の連作《内緒話》《ベッド》は物体を直接感光させるフォトグラム技法で、密室の少女(自身を仮託した姿)がノイズの入ったような画面に登場します。こうした触感の強調、傷つける技法はほかの作家にも見られます。宮川淳は絵画の物質性の台頭に現代のヒューマニズム否定を論じましたが、ここには物質感や手触り感でしか生の実感を得られない時代の危機があることを指摘しました。 一方、風間サチコの《大日本防空戦士・2670》は東京大空襲を題材に和紙に墨汁で描かれていますが、皇紀2670年=西暦2010年からこれが現代の問題であることを作家は示唆しています。マンガ的アプローチは過去をすぐれて現在のものに転化する手法ですが、このポストモダン的組み替えは『宇宙戦艦ヤマト』以来の、今や海外で人気を集めるクールジャパンのお家芸でもあります。 一方で複雑なプロセスのもと語られる私があり、もう一方でシンプルな技法で描かれる国家に収斂されない公の物語があります。このせめぎあいが今の日本である、というのが落ちです。
by PXP14154
| 2010-03-27 13:25
| 寄稿
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